会期:2025年3月11日(火)〜3月23日(日)
開廊時間:12:00~19:00(日曜日は12:00~17:00)
休廊日:月曜日
会場:トキ・アートスペース(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F)
出展作家:佐藤 健太郎、土田 翔、安田 萌音
助成:一般財団法人神山財団
BIG NATURE——直訳すれば「大自然」。この直接的な展示名は、一見するとふざけているようにも思えるかもしれない。しかし、この言葉は私たちが描こうとするものを、最も端的に表している。
"nature" という言葉は、「自然」だけでなく、「本性」や「本質」といった意味を持つ。「BIG NATURE」は、単に自然の雄大さを意味するだけでなく、私たちが根源的に持つ自然への感覚や、自然そのものの本質に迫りたいという思いも込められている。
本展では、屏風という伝統的な形式を用い、作品を向かい合わせるように展示する。もともと一双(二つ一組)であることが多い屏風が、三者の作品を並列することで、六曲1.5双ともいえる構成が現れる。(六曲とは6面分の屏風のこと)
屏風は、ギャラリーの壁から独立し、それ自体が空間を形作る。向かい合うことで新たな関係性と圧力が生まれる。絵画をただ「見る」のではなく、空間とともに「経験する」ものとして、対面する三つの作品がひとつの風景を成していく。
人間は自然の一部でありながら、同時に自然と対立する。この曖昧さと緊張の中で生まれる風景の見え方が、絵画にも影響を与えてきた。私たちは、このひとつの自然観をこれら作品によって体現してみようとする。
自然は単なる外的なものではなく、私たちの内側にも根ざしたものとして考える。それは単なるノスタルジーではなく、分断された関係を見直し、接続し直そうとする意識に近い。私たちの制作は、この関係性を探りながら「自然」あるいは "nature" に向き合っていくことだ。